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2)衝撃圧の移動速度
衝撃水圧のピークは水面の近くに発生するから、水面の移動速度とピークの移動速度は大略等しいと考えてよい。衝撃角が小さい範囲では、接水巾cの広がる速度は(π/2)Vicotβであり、その底面に沿っての速度は(π/2)Vi/sinβで与えられる。大きい衝撃角に対しては(π/2)の代わりに図−4に示される係数m−c/c0を用いて、Viに対する衝撃圧の移動速度はm/sinβで与えられる。図−6はこれを衝撃角に対して示したもので、衝撃角が小さくなるとピークの移動速度が非常に速くなることが分かる。

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図−6 衝撃水圧のピークの移動速度

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図−7 衝撃水圧の実験値と理論値の比較

(4)模型実験との対応
S−L.Chuang3)は裸形模型等による2次元、3次元の多くの衝撃水圧に関する実験を実施しているが、これらのデータをとりまとめ、Wagnerの理論と比較した結果、Wagnerの理論値は大きすぎるとして、実験値をまとめた経験式を導いた(図−7)。また、当時、一般的に、使用する模型の大きさや実験の様式(2次元の)模型試験、3次元の耐候性試験等)により、実験値の大きさに差があることが注目され、その現象の説明のための努力が払われた。

 

 

 

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